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vol.4 錠剤の秘密
 


皆様はお薬といえば何を思い浮かべますか?
錠剤、カプセル、粉とさまざまな剤形がありますが、最も一般的で種類も多いものが錠剤だと思います。
服用方法も少し前は1日3回毎食後が定番であったと思います。
しかし、最近は各製薬会社も研究を重ねさまざまなタイプのお薬が登場しています。
患者様が安全にしかも飲みやすく、飲み忘れのないように工夫されたお薬がいくつかあります。
皆様が日頃服用されているお薬も驚くべき秘密が隠されている場合もあります。

 
 

 

 

@かぜとインフルエンザの違い
 

 

 

1. 素錠(裸錠)
  粉末のお薬を圧縮して固めたもの。
 
2. コーティング錠
  (1) 糖衣錠

無色または着色したお砂糖でまわりをコーティングしたもの。
苦みや臭みを防止できる。また、外気による変質も防ぐ。

  (2) フィルムコーティング錠
   

錠剤の表面に水溶性の高分子化合物を噴霧してコーティング
する。糖衣錠より操作が簡単である。

  (3) 糖衣錠

お薬の成分が胃酸に弱い場合には酸性の胃では溶けずに腸
(中性〜塩基性)で溶けるようにコーティングされたもの。

 
3. 特殊錠剤
  (1) そしゃく錠(チュアブル)
   

口の中で錠剤がラムネ菓子のように溶ける。
水なしでも服用できる。

  (2) 発砲錠

炭酸水素ナトリウムとクエン酸などにより、水中で炭酸ガスを
発生させ溶解性を高め、清涼感をもった水剤として服用するもの。

 
4. 持続性錠剤
 

慢性疾患ではお薬を長期に渡り何年も服用を続ける場合があります。
1日3回服用していれば1年で1095回も服用することになります。
そうなると仕事、旅行、学校などでつい忘れてしまうこともあります。
そこで体の中でゆっくり溶けて服用回数を減らし、飲み忘れ等を防ぐように工夫されたお薬があります。

* お薬が徐々に出てくるように設計された物質に成分をつめた錠剤。


* お薬が徐々に出てくるように設計された物質に成分をつめた錠剤。


* コーティング層の厚さが異なりお薬の溶け出す時間に差のある数種の顆粒をカプセルに充填したもの。


* 早く溶ける層とじょじょに溶ける層を重ね合わせた2層からなるもの。


* 胃で溶けるものと腸で溶けるものを合わせたもの。

 

このようなことから1日1回の服用でも24時間効果が続いているお薬もあります。
また噛み砕いたり、粉砕したりすることで上記のようなシステムが壊れ、持続効果が損なわれさらに思わぬ副作用がでる場合もあります。

 

 


そこで、患者様にご協力いただき、約50人の方にアンケートに答えていただきました。
結果は、下記のとおりになります。

1. 個々のお薬により服用方法( 1日1回 、1日3回など )があることを 知っていましたか?
  〔1〕 知っている (90%)  〔2〕 知らない (10%)
2. なぜ服用方法が1日1回のお薬や1日3回のお薬があるのか知っていますか?
 

〔1〕 知っていいる (38%)  〔2〕 知らない (62%)

3. 今まで自己判断で錠剤を紛砕したり、錠剤を噛んで服用したことがありますか?
 

〔1〕 ある (2%)  〔2〕 ない (98%)

    
〔理由〕
小児で錠剤が飲めなかったので粉砕した


 

 

錠剤には先程、説明したようにさまざまなシステムがありますので、お薬の飲み方について不明な点がありましたら、自分の判断で服用せず必ず薬剤師に相談して下さい。

 

 


 

 

最近の新しい薬の形

以上のお薬の形以外にある目的をもった薬が開発されているので紹介します。

1. ターゲット療法
 

薬が体中に拡がっても副作用の少ない抗生物質のようなお薬は良いのですが、抗がん剤のように癌組織だけでなく、正常な組織にもある程度ダメージ―副作用―を与えてしまう薬物を投与する場合は、出来るだけ病巣にのみ薬を到達させる工夫が必要です。その方法として、ある特定の臓器・病巣部だけに薬を効かせようとするターゲット療法が研究されています。

★小さなカプセル=ミセル

必要な部位に薬が送り届けられるように、薬の形をデザインする。ここで注目されているのが、抗がん剤の高分子ミセル(10万分の1ミリくらいの大きさの微粒子)です。高分子材料でウィルスぐらいの極めて小さなカプセル(ミセル)を作り、その中に抗がん剤を入れます。カプセルの外部は水となじみやすい性質を持っているので、血管壁に付着したり、肝臓で代謝されることもなく、スムーズに血管を流れます。このカプセルが癌組織に近づくと、粗くなった血管壁の網目をくぐり抜けて血管の外に出て、癌組織に集まります。そこで薬が放出されます。

今はまだ動物実験で、近い将来、実用化が期待されているそうです。
そうなれば副作用を心配することなく抗がん剤治療を受けられるかもしれませんね。

 
2. 注射剤
 

最近のバイオテクノロジーの進歩で分子量の大きい医薬品が増え、経口投与がだんだん難しくなっています。そこで注射器を使わず、患者の苦痛を減らし、お薬を服薬し易いようにするため、新しい製剤が内服薬として開発されています。

★マイクロカプセル

これは今まで注射剤でしか投与できなかった薬を内服できるようにした新しいタイプの製剤です。普通経口投与すると、胃で分解されてしまいます。それを防ぐために、胃で溶けず、小腸で崩壊する『腸溶性カプセル』の中 に直径200μm.の半球状のマイクロカプセルがあり、その中に高分子の薬剤が充填されています。このカプセルは水に不溶な高分子のポリマーと小腸に接着性の良いポリマーと、小腸内のアルカリ性で溶解するpH依存性のポリマーフィルムからなる三層の構造で、水不溶性膜により、酵素による分解を防ぎ、一方小腸の付着面からは薬剤が効率よく吸収される特性があるそうです。小腸内で腸溶性カプセルが崩壊すると、この半球状のマイクロカプセルが放出されて、小腸粘膜に付着し、中の蛋白医薬品が効率よく消化管から吸収される仕組みです。
吸収の効率は注射剤の1/4ほどですが、注射の苦痛から解放されるので
期待されています。


 
 
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