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vol.12 水虫
 
水虫は「白癬菌」というカビの一種が、皮膚の一番外側にある角質層に感染して起こります。皮膚の角質の成分であるケラチンを栄養源として、角質層に寄生しています。
白癬菌は梅雨時から夏場にかけて、高温でじめじめした時期に活発になります。
特に温度15℃以上、湿度70%以上になると白癬菌に最適な環境といわれています。
日本では10人に1人が水虫に感染していると言われています。
感染経路は家庭内が主なので水虫の人がいる場合は要注意です。
水虫の人の皮膚から剥がれ落ちた角質層には白癬菌が残っているため、
菌が床やスリッパ、バスマットなどに散らかった状態になります。
そのため菌と接触することが多い家族は、必然的に
発病のリスクが高くなります。
 


目次  1、水虫の種類
   2、水虫に似ている症状
   3、外用薬(塗り薬)
   4、内服薬(飲み薬)
   5、水虫のケアと予防
   6、治療は秋冬が効果的
 
 

 

 

 

 

水虫の出来る場所といえば一般的に足が知られています。
しかし白癬菌の寄生する場所は図のように広範囲に及びます。
■頭部白癬(シラクモ)
  幼児に多く、頭髪部特に頭頂から全頭に十円玉大の
円形の脱毛巣ができます。
そこの皮膚には、ふけが浮いています。
痒みは無く、脱毛巣に残った毛は灰白色をしています。
■体部白癬(タムシ・ゼニタムシ)
  顔や首、脇の下や乳房下などにできた白癬の事です。はじめは小さなまるい紅斑から始まり、やがて紅斑の縁にぶつぶつの丘診(きゅうしん)が並んで盛り上がり、輪状ないし環状に拡大します。
■陰股部白癬(インキンタムシ)
  外陰部の周り、おしりから肛門周囲や大腿部内側に出来た白癬のことです。股を中心に、激しい痒みを伴う湿疹ができます。
■足白癬(水虫)
  一般的に寄生する場所です。下図のようにおおきく分けて趾間びらん型、水疱型、角質増殖型の三つがあります。
 
  1.趾間びらん型(約55%)
    足の指と指の間、特に一番外側の指の間(第四指間)に発症するのが特徴です。皮がむけて赤くなる乾燥型と、皮膚が白く湿ってふやけたようになり、じゅくじゅくする湿潤型の二つがあります。悪化すると足の裏や他の指間にも広がります。特に湿潤型は、細菌の二次感染により足がはれる事があります。
  2.水疱型(約40%)
    土踏まずや足の縁に、赤みを帯びた小さな水ぶくれが出来ます。特に土踏まずに出来やすいようです。やぶれると液が出て次第にカサカサになり、皮がむけていきます。特徴は、必ず痒みがあるわけではなく、水ぶくれも気づきにくい場所に出来るため、そのままにしてしまう事があります。比較的治り易く、高温多湿の夏場に発症することが多いようです。
  3.角質増殖型(約5%)
    足の裏の皮膚が硬くなり、特に踵にヒビやあかぎれを起こし、まれに痛みを伴います。特徴としては、水疱型と異なり空気が乾燥する冬場に多く、不適切な治療や再発を繰り返している人に見られます。
■爪白癬
  爪が白癬菌におかされると、灰白色になって厚くなります。ボロボロになって、最終的に脱落するようになります。比較的老人に多いようです。
■異型白癬
  白癬菌に副腎皮質のステロイド軟膏を使用したため、たむし特有の症状を出さないものを言います。顔面や頸部に見られます。
■黄癬
  白癬菌の中の黄癬菌群の感染によって起こる疾患です。特徴は、頭部に黄色の厚いかさぶた(痂皮)をつくることです。
現在はほとんど見られなくなってきているようです。
   
 
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主に接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、カンジダ症、脂漏性湿疹などがあります。
■接触性皮膚炎
  原因物質によって起こる湿疹です。一度かぶれると、一生続くことが多いようです。金属やゴムなど、さまざまなものが原因になります。
■アトピー性皮膚炎
  痒みがあり、左右対称の湿疹ができます。特に小児に多く、ダニ、ほこりや食べ物、花粉など原因はさまざまです。
■カンジダ症
  カンジダ菌の感染症です。口の中、爪、膣などいろいろな場所に寄生します。白癬菌と違って急激に悪化しますが、薬がよく効きます。
■脂漏性湿疹
  頭部、脇の下、顔などにふけができ痒くなります。特徴は、季節に関係なく発症する事です。
以上のように、水虫に似た症状は多く知られています。自分の判断で市販の水虫薬を使っても、効果がないばかりか、かえって症状を悪化させる可能性もあります。今後のことを考えて、専門医の診断を受けることをおすすめします。
   
 
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■スプレー  液剤(ローション)
  液剤は爪の間や頭など、軟膏やクリームでは塗りにくい部分に適しています。
スプレーは患部全体に塗布しやすく、乾きが早いため使用感に優れています。
これらの剤形は乾燥したタイプの病巣部に多く用いられます。
しかしエタノールを含んでいるものが多いので刺激性があり、
ただれた患部・創傷部への使用は避けることが望ましいです。
■軟膏  クリーム
  皮膚への刺激が少なく浸透性に優れるため、多くの水虫治療に使用されています。 湿潤したタイプの病巣部に多く用いられています。
しかし軟膏では塗布後のベトつきが残るため、
使用感においてはスプレーや液剤に比べやや劣ります。
※外用薬を塗布する際は入浴後が効果的です。患部周辺にも真菌の付着が認められるので、周辺部にもまんべんなく塗布しておく事が大切です。
病院・診療所で処方される主な抗真菌薬 
商品名
一般名
剤形
用法(通常)
アスタット
ラノコナゾール
クリーム、軟膏、液
1日1回塗布
アトラント
塩酸ネチコナゾール
クリーム、軟膏、液
1日1回塗布
ニゾラール
ケトコナゾール
クリーム、ローション
1日1回塗布
マイコスポール
ビホナゾール
クリーム、液
1日1回塗布
メンタックス
塩酸ブテナフィン
クリーム、液、スプレー
1日1回塗布
ラミシール
塩酸テルビナフィン
クリーム、液、スプレー
1日1回塗布
ゼフナート
リラナフタート
クリーム
1日1回塗布
 
 
   
 
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塗り薬で完治の難しい人(爪白癬や角質増殖型の方)には飲み薬が用いられます。
血液の流れにのって、直接、白癬菌にダメージを与え、体の内側から治すことができます。
■爪白癬とは
  症状は、爪が白くにごったり、黄褐色に変色したりして分厚くなります。かゆみや痛みがないので、異常に気づいても放っておかれる場合が多いようですが、症状が進むと爪の変形のために、痛みが現れることもあります。また、家族内の感染源になりますので治療が必要となります。
治療は、硬い爪の外側から薬を塗っても爪の中までとどきません。そこで飲み薬が用いられます。爪の伸びとともに治っていくので根気が大切です。
現在よく使われている飲み薬は2種類あります。
薬の名前
爪白
角質増殖型
注意すること
イトリゾール
(イトラコナゾール)
パルス療法 (注1)
通常1週間服用して
3週間休むのを3クール
1〜2ヶ月くらい
の服用で良くなる
ことが多い
飲み合わせの悪い薬が
いくつかあるので、他に
服用中の薬のある方は
あらかじめ主治医に申し
出ましょう。
ラミシール
(テルビナフィン)
1日1錠を4〜6ヶ月
くらい続ける
肝臓に影響を及ぼすこと
があるので、定期的な
血液検査が必要です。
注1,  パルス療法について
  「一定の休薬期間をおきながら集中的に薬を服用する治療法」のことです。
イトリゾールは通常より多い量を集中して服用することによって、薬が爪や角質に運ばれて、長くとどまり、服用を中止した後も効果が続きます。毎日続けて飲む場合に比べて副作用が少なくなることも期待されます。
 
   
 
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足が濡れた時は乾いたタオルで水分をよく拭き取りましょう。
ぬれた状態を放置しておくと白癬菌の増殖につながります。
入浴の際は足を石鹸でやさしく洗い、清潔なタオルで拭きましょう。強く洗いすぎると角質層を痛めてしまい、より深く白癬菌が進入してしまいます。
通気性のよい靴下や靴を選びましょう。蒸れた状態は白癬菌の絶好のすみかになります。
家の中はこまめに掃除しましょう。特に洗面所、脱衣所は清潔にし湿気を取り除き、またスリッパ、バスマット、寝具等はこまめに洗濯しましょう。
   
 
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秋冬になると、白癬菌の活動が少なくなってくるので、かゆみなどの症状がおさまり、一見治ったかのように思われますが、白癬菌はまだ潜んでいることが多いのです。
ここで夏に始めた治療をやめてしまう方が多いようですが、活動のおさまっているこの時期の治療が効果的です。
 
冬も暖房のきいた部屋で暖かく保たれ、厚い靴下を履くことで蒸れやすく、夏と同じように白癬菌が活動しやすくなります。特に女性はロングブーツを履く機会が増え、高温多湿の状態になるので、冬の水虫も油断できません。
 
白癬菌は足だけでなく、手や頭、陰部、顔などにも感染します。感染しないためのケアを見直し、根気よく治療し水虫を退治しましょう。
   
 
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