1. エックス線検査
造影剤を使わない「単純エックス線撮影」は、肺や骨などを調べるのに有効で、最も一般的なのが、「胸部エックス線検査」です。乳がん検診として行われる「マンモグラフィ」も単純エックス線撮影の1つです。
エックス線を照射しただけでは写りにくい臓器や血管などを調べるには、造影剤を使った「造影エックス線撮影」が行われます。消化管の検査ではバリウムを造影剤として用い、胃を調べる「上部消化管エックス線検査」や、大腸を調べる「下部消化管エックス線検査」が行われています。
そのほか、治療を前提にした精密検査としては、ヨード系の造影剤を血液中に注入して、心臓や血管、尿路などを調べる造影エックス線撮影も行われます。
(造影剤について)
エックス線(レントゲン)写真を撮る時に、写真にコントラストをつけて病変をより鮮明に写し出す為に体の中に造影剤を入れることがあります。造影剤にはエックス線を通すものとエックス線を通さないものがあり、後者にはバリウムとヨードがあります。
(バリウムについて)
バリウムはおもに消化器(食道・胃・十二指腸・大腸など)の検査の時に、空気や炭酸ガス(発泡剤)などと一緒に口から飲んだりカテーテルという細い管から注入したりします。バリウムの安全性は高く副作用はありませんが、長い間、体に残っていると便秘を起こすことがあります。
(ヨード造影剤について)
ヨード造影剤は血管に注射して使います。CT(コンピュータ断層撮影検)では、脳をはじめとして全身の臓器の検査に用います。また、腎臓などの病気を調べるエックス線検査にも使われます。ヨード造影剤の安全性もバリウム同様きわめて高いものですが、まれに注射後、吐き気、蕁麻疹などが出ることがあります。このような副作用はヨードに対するアレルギーによるものの可能性が高く、喘息などアレルギー疾患のある方に、副作用の出る頻度が高いと言われています。
「上部消化管エックス線撮影」
食道や胃・十二指腸に病気があると、形が変わったり、動きが変化したりします。バリウムを飲むと消化管の内壁に付着して、病変部分の形状が写し出されてきます。そのため、食道や胃・十二指腸の潰瘍や癌、胃壁の荒れ(胃炎)の診断に役立ちます。
「下部消化管エックス線撮影(注腸造影)」
造影剤のバリウムを肛門から大腸に注入して、大腸のエックス線写真を撮る検査法です。大腸に病変があると、便の回数が増える、便秘と下痢を繰り返す、便の性状が変わる(軟便、便に血が混じる、黒色便、粘液が付着する)など便通の異常やお腹の痛みが現れます。これらの所見だけでは病状の診断がつきません。単純エックス線検査や超音波、CT検査では腸の粘膜の細かい異常は分かりませんが、下部消化管エックス線撮影を行えば、粘膜の様子や通過障害が良く分かります。
「経静脈性尿路造影」
腎臓から膀胱までの尿路のエックス線写真を撮る検査法です。静脈からヨード造影剤を注射すると、血液に入った造影剤は腎臓から排泄されて膀胱に溜まっていきます。この過程を数分ごとに数枚のエックス線写真を撮って調べます。腎臓の機能や、腎臓、尿管、膀胱の形態的な異常を見つけるのに役立ちます。
2.超音波検査
通常「エコー」と呼ばれている検査です。超音波は人の耳には聞こえない高い音で、人体にあてると組織の境界や結石、腫瘍などにあたって戻ってきます。この戻ってきた音の強さの違いを画像として映し出して行う検査です。心臓や肝臓・胆嚢・すい臓などの腹部の臓器、乳腺・甲状腺など体表に近い臓器、さらに泌尿器(腎臓・膀胱、前立腺)、産婦人科(子宮、卵巣など)と多くの領域が対象となります。ただし、骨や空気を含む臓器(肺・胃・腸)は音が伝わらないので検査できません。
超音波検査ではエックス線検査のように静止した画像ではなく、動く画像が得られるので、心臓の動きや血液の流れなどを観察するのに適しています。また、超音波を出す機械を動かして自由に多方向からの画像を得ることができるので、病変の立体的な位置関係を把握するのに有効です。
3.CT(コンピュータ断層撮影)検査
CT検査が一般のエックス線検査と違うところは、CTで得られる画像が体を輪切りにした状態の断面の画像だということです。これによって臓器や組織などの重なりが避けられ、画像自体も一般のエックス線写真より鮮明なものが得られます。体を傷つけないで臓器の形や大きさ、まわりの組織との関係を観察することができるため、体のほとんどの部分を検査できます。特に臓器の炎症、出血、腫瘍などの診断に優れています。また、複雑な骨折、肺やすい臓などの小さな癌の発見などに威力を発揮します。検査する部位によっては造影剤が必要になることもあります。
4.MRI(磁気共鳴画像)検査
MRI検査はエックス線を使わずに体の内部の状態を観察する検査法です。強い磁場を発生する大きな磁石で囲まれた装置の中に入った患者さんに電波を照射して、体の内部を観察し、病気の有無や性質、状態をみます。MRI検査はCT検査同様、身体の深部をより詳しく観察するために行います。全身の臓器の検査が可能ですが、とくに脳、脊髄、腹部臓器、脊椎などの検査に優れています。CT検査同様、臓器の状態や病気の状態をより正確に観察するために造影剤を使用することがあります。磁気を使用していますので、体内にペースメーカーや血管クリップなどが入っている人は検査を受けられない場合があります。
5.RI検査(シンチグラフィー)
放射線を放出する薬剤を体内に取り込ませて撮影する検査法です。放射線を出す薬品を注射したり、服用すると、一定時間後に目的とする臓器に放射性物質が集まってきます。その臓器から出される微量の放射線をカメラで撮影することによって臓器の形や働きを評価します。この検査の主な目的は、臓器の形・機能・血流を調べることです。また、腫瘍や炎症が体の中にあるかどうか調べるのにも用いられます。よく検査される臓器は、骨、甲状腺、副腎、心筋、腎臓などです。放射線を出す薬品を使用しますが、副作用の心配はありません。検査で体に受ける放射線の量は通常のエックス線撮影と同じ程度かそれ以下です。また投与された放射性医薬品の放射能は時間とともに少なくなり、体外にも排泄されてしまうので、身体への影響についても心配はありません。
6.内視鏡検査
内視鏡は細い管状の医療器具で、体の内部を直接観察できるのが特徴です。機械の先端から器具を出して病変部の組織を採取し検査したり、状況によってはポリープを切除したり治療を行うこともできます。健康診断としては、主に癌の発見を目的に、人間ドックや集団検診で異常が疑われた場合の精密検査として胃や大腸の内視鏡検査が行われます。